ラームのポリバレントな才能とプレースタイル
バイエルン・ミュンヘンの主将フィリップ・ラームは、相変わらずポリバレントな才能を発揮しています。 2013−14シーズンからバイエルンの監督に就任したジョゼップ・グアルディオラは、積極的にラームをピボーテの位置で起用しています。
ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督も2013年10月15日に開催されたワールドカップ欧州予選のスウェーデン代表戦でラームをピボーテの位置でプレーさせています。
ラームは、ポリバレントな才能をいつから発揮し、どんなプレースタイルの特徴を持っているのでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=Xjmy1P9gr8E
■ラームのポジション遍歴
ラームの本来のポジションは、右サイドバックです。ラームは、11歳でバイエルン・ミュンヘンの下部組織に入団。下部組織では、右サイドバックや右サイドハーフ、ボランチでプレーしていました。
ポリバレントな才能は下部組織に在籍していた頃から発揮しています。バイエルンの下部組織で指導者を担当していたマッツ・フンメルスの父親ヘルマン・フンメルスもラームの才能を見抜いていました。
(※ヘルマン・フンメルスは、1.FSVマインツ05の監督を務めたこともある指導者です。 )
ラームは、2003−04シーズンと2004−05シーズンをレンタル先のVfBシュトゥットガルトでプレーしました。2003年にフェリックス・マガト監督がラームを左サイドバックで起用。素晴らしい活躍を見せて、左サイドバックのレギュラーに定着します。
この頃からラームは、右サイドバックと左サイドバックを起用にこなす選手として認知されます。バイエルンに復帰後もチームの台所事情によって、右サイドバックでプレーしたり、左サイドバックでプレーするという状況が続きました。
ラームは常に本職の右サイドバックでプレーすることを望み、起用法に不満を表して移籍を志願した過去があります。バルセロナは2008年にラームの獲得を本気で狙っていましたが、ラームが契約を延長したため、ターゲットをダニエウ・アウヴェスに切り替えました。
移籍志願騒動以降は、主に右サイドバックでプレーしていました。2013−14シーズンは、ピボーテでプレーする機会が増えているが、ラーム自身はポジションの固定を望んでいます。
■ラームのプレースタイル
基本的な技術の高さと豊富な運動量があり、メンタルも安定しているので非常にパフォーマンスが安定しています。ポジショニングが素晴らしく、インテリジェンスを感じさせる選手です。
ポジショニングの良さとインテリジェンスがあるので、複数のポジションを簡単にこなします。パス精度やミドルキックの精度が高いので、配給センスを発揮することができたり、チャンスを生み出すことができるのです。
精度の高いクロスと華麗なターンは、ラームの大きな武器です。相手の攻撃の芽を摘み取る守備とスライディングタックルの上手さも目立ちます。
ラームのプレースタイルは、単独でプレーするのではなく周囲との連携によって試合に関わります。プレーの選択肢が多いので慌てることが極端に少ないです。ロッベンとの縦関係は相手に大きな脅威を与え続けます。
170cmの65kgと体格は小柄な上に線が細いです。空中戦は強くないのですが、ポジショニングの良さでカバーしています。特に欠点が見つからないところがラームの凄いところですね。
■終わりに
ラームを一言で表すと、頭が良くてよく走る献身的な選手です。派手なプレーは少ないのですが、バイエルンとドイツ代表に欠かせない存在です。
ジョゼップ・グアルディオラは、ラームがバイエルンで一番インテリジェンスがある選手と公言しています。バルセロナに所属するMFシャビも「ラームはどのポジションでプレーしてもトップクラスになれる素質がある」と絶賛しています。
ラームの気の利いたポジショニングは、ピボーテでより効果を発揮します。しかし、バイエルンにはピボーテが本職のプレイヤーがいるので、本来の右サイドバックの起用がベストな選択だと思います。
ラームのポリバレントな才能を生かす起用法は、グアルディオラのセンスを感じます。いとも簡単にピボーテのポジションをこなすラームも化け物です。
ドイツ代表もケディラが負傷でワールカップの出場が厳しく、期待のギュンドアンもコンディションに問題を抱えている状況です。ラームが2014年のFIFAワールドカップでピボーテを務める可能性は十分あります。
グアルディオラとレーブは、世界最高の右サイドバックのラームをどの位置で起用し続けるのだろうか?
※出典参照
フィリップ・ラーム – Wikipedia
シャビ:「ラームは中盤でもトップクラスになれる」 – Goal.com
「ラームはシュバイニーの定位置を奪うかもしれない」 – Goal.com
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