ステロイド薬の作用と副作用とは?
ステロイド薬には、さまざまな効果があり、一般的な治療では治りにくい病気の治療に用いられることが多いです。例えば、神経や筋肉、皮膚の病気、内分泌系の病気や呼吸器系の病気、膠原病などの治療でステロイド薬を使います。
病気の種類や病態によって、ステロイド薬を使う量は大きく異なります。しかし、ステロイド薬には多かれ少なかれ副作用があります。
ステロイド薬は、副作用を最小限に抑えた上で目的とする効果が十分に得られるようにバランスを考えながら使用します。
ステロイドとは?
ステロイドは、もともと体内で分泌されるホルモンです。正式には、「副腎皮質ステロイドホルモン」と呼びます。副腎という臓器の皮質から分泌されています。副腎は、腎臓の上に位置するとても小さな器官です。副腎皮質では、約五十種類のステロイドホルモンが分泌されます。これらは大きく三つの群に分けられ、それぞれに異なる作用があります。
糖質コルチコイド
炎症や免疫の反応を抑える作用や体内の糖質や脂肪、タンパク質、ミネラルなどの代謝を調整する作用もあります。さらに、骨へのカルシウムの沈着を抑える作用があります。糖質コルチコイドもコルチゾールやコルチコステロン、コルチゾンに分類できます。
電解質コルチコイド
体内の水分やミネラル分を調整し、血圧や血液の量をコントロールする作用があります。ナトリウムイオンの再吸収やカリウムイオンの排出を促進をする作用もあります。アルドステロンは、電解質コルチコイドの代表的なものです。
性ホルモン
生殖に関わるホルモンです。男性ホルモンがアンドロゲン、女性ホルモンはエストロゲンとゲスターゲンに分けられます。ステロイド薬は、主に糖質コルチコイドを人工的に合成したものになります。
ステロイド薬の作用と副作用
ステロイド薬には、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があります。病気の活動性を抑え込んで、不可逆的な臓器の障害が進むのをくい止め、病気が落ち着いた状態にもっていく目的があります。ステロイドは、生きていく上で必要不可欠なホルモンです。体が栄養素を利用しやすいように分解や合成をする代謝にも作用します。
しかし、ステロイドホルモンは代謝に大きく関わるため、薬として大量に使うと、体の働きを人為的に変えてしまうので副作用につながります。
副作用のなかには、回避するのが難しいものや予防することにより避けられる副作用があります。また、必然的に起こる症状や必ずしも起こらない症状があるのです。
骨粗鬆症や中心性脂肪、傷の治りの遅れなどの副作用を避けるのは難しいです。また、感染症や糖尿病、高血圧や高脂血症などの副作用もとても高い頻度で起こります。
ステロイド薬の作用により目的の効果を得られるのですが、軽いものから重いものまで副作用があります。
作用と副作用を正しく理解することにより効果的な治療を受けることができるのです。
まとめ
ステロイドは、副腎の皮質から分泌されるホルモンです。主に糖質コルチコイドという種類のステロイドホルモンを人工的に合成したものがステロイド薬です。ステロイド薬は、一般的な治療では治りにくい病気の治療に用いられます。目的とする効果は十分に得られるのですが、多かれ少なかれ副作用の影響を受けます。
回避するのが難しい副作用もあり、対策をすることで予防や軽減ができる副作用もあります。
ステロイド薬は、医師の指示をしっかり守って使用することが大切です。
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