仏教における輪廻とは?基本的な考え方を学ぶ

仏教の基本である「輪廻(りんね)」とは、どのような考え方なのだろうか?

仏教は、インドの気候から生まれた宗教です。熱帯地域に属するインドは、次々に新しい生命が誕生するけれども、あっさり死んでしまうという特徴があります。

輪廻とは、人間を含めたすべての生き物が繰り返す生と死のサイクルのことです。解脱(げだつ)しない限りは、このサイクルから逃れることはできないと考えられています。

解脱とは、輪廻のサイクルから外れて悩みや迷いなどの煩悩から解き放たれた状態のことです。仏教では、悟りを開くことで苦しみのサイクルから自由になることができて、初めて解脱することができると教えています。

輪廻は、古代のバラモン教の受けた考え方で、生命力に富んだインドだからこそ生まれた思想といわれています。

バラモン教から発展してできたヒンドゥー教にも輪廻という考え方が存在しています。

死後に迎える六道とは?

天道:天人が住む世界。六道の中で最も恵まれている。
人間道:人間が住んでいる世界で、苦しみに満ちている。
修羅道:激しい争いが絶えず、怒りに満ちている世界。
畜生道:三悪道の一つ。悪行の結果、人間以外の生き物に変えられ、苦しみを受ける世界。
飢餓道:三悪道の一つ。飲食が自由にできず、飢えと渇きに苦しむ世界。
地獄道:三悪道の一つで、仏教における世界観の最下層に位置する世界。悪人が苛酷な責めを受けて、苦しみを味わう。

仏教では、生きものが輪廻する世界のなかに「天上」「地獄道」という世界があると考えています。現世での行いが、来世で生まれ変わる世界を決めるのです。

結局、解脱をしない限りは、輪廻から逃れることができません。輪廻から離脱した人は、「極楽浄土」で苦しみから逃れて暮らすことができると考えています。

解脱する方法とは?

仏教では、生きていること自体を苦しみと捉えています。つまり、いつまでも生まれ変わるということは、永遠に苦しみが続くという考えです。

悟りを開くことで、輪廻から逃れることを「解脱」といいます。ブッタは、三十五歳のときに菩提樹の下で悟りを開いたので、輪廻という苦しみから逃れることができたのです。

まとめ

キリスト教やイスラム教には、「生まれ変わる」という考え方が存在しません。死んだ人間は、神様から最後の審判を受けて天国か地獄で永遠に暮らし続けるとされています。

輪廻は、バラモン教の影響を受けた考え方で、人間を含めたすべての生き物は、死んでも再び別の人間や生き物に生まれ変わり、いつまでもこのサイクルを繰り返すことをいいます。

仏教では、輪廻から抜け出すことで苦しみから逃れることができると考えています。悟りを開いて、輪廻から抜け出すことを「解脱」といいます。



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