神道は日本独自の宗教なのか!?
日本人は無宗教?
日本人の過半数以上が無宗教を主張するといわれています。また、世界からも「仏教国」ではなく、「無宗教国家」として見られています。しかし、多くの日本人は年末年始に神社へ初詣にでかけますし、節分や七夕を意識し、子供の七五三を祝います。これらは全て神道の行事です。
神道は、古来より伝わる日本独自の宗教です。読み方は「しんとう」であり、英語では「Shintoism(シントイズム)」と訳します。「Shinto(シントー)」で意味が伝わることもあります。
日本人は、神道の行事を日常的に取り入れているため、神道を信仰しているという意識を持っている人は少ないのです。神道は、アニミズムやシャーマニズムがもとになっています。
アニミズム(animism)とは、生物や無機物を問わず、すべてのものに目に見えない霊魂が宿っているという考え方です。シャーマニズム(shamanism)とは、シャーマンが超自然的存在との直接的交流により、卜占(ぼくせん)や予言、病気の治療、現状の変更などを行う宗教現象です。
神道は多神教である
神道は、仏教が伝来する以前の縄文時代が起源と考えられています。日本書紀によると仏教が日本に伝来したのは飛鳥時代とされています。神道では、自然のあらゆるところに神々が宿っていると考えており、自然が豊かな日本だからこそ受け継がれてきました。古くから日本人は、山、海、川、巨石、巨木、動物、植物などの自然物、火、雨、風、雷などの自然現象を崇拝してきました。
山は縄文時代または弥生時代から信仰の対象であり、奈良県桜井市にある三輪山(みわやま)は山全体が大神神社のご神体となっています。現在は有名なパワースポットとして知られています。
三重県伊勢市の夫婦岩や熊野市の花窟神社のご神体である巨岩なども有名な信仰の対象です。樹齢何百年や何千年といわれる大木も信仰の対象になります。神が宿る木としてしめ縄が巻き付けられていることが多いです。
このように、神道はたくさんの神がいるとしていることから「多神教」と呼びます。「この世を造り出した唯一の神がいる」という教えのキリスト教やイスラム教を「一神教」と呼びます。
神道は宗教なのか?
日本人は四季を感じて生活をしています。山や海、川、森林など豊かな自然に恵まれているので、自然を感じる機会や自然に感謝するようになったようです。そして、次第に自然界に神が宿ると考えるようになり、神々へ感謝するようになったのが神道の始まりと考えられています。
ところが、神道は宗教ではないという神社非宗教論が存在します。神道には、教義がないことや布教活動がないからです。しかし、神社庁は宗教法人ですので神道は宗教と呼べるでしょう。
まとめ
神道は、古来からある日本独自の宗教です。アニミズムやシャーマニズムが考えの起源となっており、神様や先祖を大切にして、人生を生きることを求めています。つまり、自然のあらゆるところに神々が宿っているというアニミズムにより、自然物や自然現象を信仰の対象にしています。神社で拝むという行為は、シャーマニズムによるものです。
日本人の生活の中には神道の行事や習慣が根付いています。無宗教を主張する人は多いですが、出雲大社と伊勢神宮がそろって式年遷宮を迎えた2013年には多くの人が神社へ参拝に訪れました。
神道は、仏教とともに日本の宗教として根付いてきましたが、神道を信仰しているという自覚を持っている人は非常に少ないですね。
■編集後記
先日、TBS「午前零時の岡村隆史」という番組で三輪山が紹介されていたので今回の記事を書かせて頂きました。三輪山は、超強力なパワースポットとして知られています。
三輪山に訪れる際は、神道について最低限の知識をつけてからの方が良いですよ。
【スポンサーリンク】