「 明日、ママがいない」 脚本家の野島伸司の過去の問題作
児童養護施設を舞台にした水曜ドラマ「明日、ママがいない」が大変な注目を集めています。
児童養護施設の実態とかけ離れた演出が問題になり、全国児童養護施設協議会がドラマの放送中止を訴えています。日本テレビ側は放送内容を変更する意向を同議会に伝えておりますが、脚本監修の野島伸司は脚本の書き直しをしないことで有名です。
野島伸司は「101回目のプロポーズ」や「ひとつ屋根の下」、「プライド」などの脚本を担当した人気脚本家ですが、 過激な表現が多い作品は、たびたび問題として取り上げられることがあります。
過去にも視聴者からのクレームが殺到し、スポンサーが降りるという同様の事態がありましたが、脚本を書き直すことはなかったそうです。
1992年に放送された「愛という名のもとに」は、野島伸司が初めて書いた社会派ドラマです。 いじめや暴力、自殺などの重たいシーンもありますが、ほとんどの若者が感じる挫折や葛藤を描いた作品です。
高校教師と生徒の禁断の恋愛などの社会的タブーを扱った「高校教師」やKinKi Kidsが出演した「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」でもイジメや体罰、虐待、自殺などのテーマを扱ったことから視聴者からの批判が数多く寄せれたそうです。
「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」を真剣に見れば、イジメがどれくらい不愉快なもので傍観者にすらなってはいけないという認識を持つことができるはずです。しかし、残酷なイジメ問題は常に世の中に存在しているというのが現実で過激な表現を使ってまでも発信したメッセージは伝わっていないのです。
また、1998年に放送された「聖者の行進」は、知的障害者に対する偏見や差別を扱った作品で過激な虐待シーンが物議を醸して、スポンサーが撤退するなど問題になりました。この作品も野島伸司の問題作のひとつです。恐らく、いま放送したら1話で打ち切りになるような内容です。
実際に起きた事件を題材にして、描かれている作品で賛否両論があります。過剰な表現が問題なだけで、知的障害者に対する偏見や差別の存在を世の中に広めたという見方もあります。
「同情するなら金をくれ!」というフレーズが有名な「家なき子」や早食いや大食いを題材とした草彅剛主演の「フードファイト」を企画したのも野島伸司です。
このように問題作を含め数多くの話題作を生み出しております。
「 明日、ママがいない」は、全国児童養護施設協議会から児童養護施設の実態と異なり、視聴者に対して誤解や偏見を与えるという抗議を受けています。
野島伸司は、もともと社会派テレビドラマを書くことを希望していただけにメッセージ性が強く反響を呼ぶ作品が多いです。各ドラマの視聴率に表れていると思います。
「 明日、ママがいない」は、 「すべての母親に、これから母親になる全ての女性に届ける」21世紀で一番泣けるドラマと表現しているだけに何か強いメッセージがあるはずです。
過去に視聴者から抗議を受けても脚本を書き直すことがなかった野島伸司ですが、今回はどのように対応するのでしょうか?
もし脚本を書き直すことがあるならば、もう一人の脚本家の松田沙也という方が直す可能性が高そうですね。
「 明日、ママがいない」も野島伸司の問題作のひとつに加わったことだけは間違いないです。
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