気管支喘息は命に関わる怖い病気。症状や原因、治療法を学ぶ。


気管支喘息は軽視するべきではない病気

突然ですが、喘息の発作が原因で年間どれくらいの人が亡くなっているかをご存じですか?

医療が発達している現代でも、約2000人近い患者が喘息発作で死亡しています。60歳以上の高齢者がその内の9割弱を占めており、その割合が年々高くなっていることが高齢社会における不安な問題の一つです。

喘息は命に関わる怖い病気であり、軽視するのは大きな間違いです。今回は、気管支に慢性的な炎症を起こす気管支喘息の症状や原因、治療についてをまとめてみました。

気管支喘息の症状

肺に空気を取り込む働きがある、口、鼻孔、咽頭、喉頭、気管、気管支を総称して気道と呼びます。この気道の内側が粘膜に覆われていることによって、空気とともに吸い込まれるホコリや花粉、ゴミ、細菌やウイルスなどの体にとって有害な物質が体内に入らないようになっています。

ところが、喘息を起こす人の気道の粘膜は、健康な人であれば反応しないようなわずかな刺激に対しても過敏に反応するため、慢性的に炎症を起こしてしまいます。

この反応が起きると、気管や気管支の筋肉が痙攣して収縮したり、粘膜がむくんだり、粘膜からの分泌液が急激に増えるなどの症状が現れます。それで、気道の内腔が狭くなって息切れや呼吸するたびに気道がゼイゼイやヒューヒューと雑音を発する喘鳴などの喘息発作を起こします。

小児気管支喘息の主な原因はアレルギー

気管支喘息を起こす原因として最も多いのは、アレルギーを起こす物質「アレルゲン」が気道に侵入したときです。大人の喘息の約60%を占め、小児気管支喘息では実に90%以上がアレルギー性のものなのです。

発作の原因となるアレルゲンが何かは、人によってそれぞれ異なります。食べ物や食べ物に含まれる添加物、ダニやホコリ、花粉など多岐にわたり、これらのアレルゲンを身の周りから、すべて取り除くのは不可能です。

また、ウイルス感染や急激な気温の低下による冷気の吸引、粉塵やタバコの煙、排気ガスなど、気道の感染や刺激性物質の吸引も気管支喘息の発作を引き起こす原因となります。

この他にも、アスピリンなどの解熱鎮痛薬が発作の原因となるケースもあります。血圧降下薬の中には、気管支を収縮させる作用があったり、重い発作を引き起こす可能性がある非ステロイド系抗炎症薬の取り扱いには特に注意が必要となります。

ダニやホコリは努力次第で減らすことができますし、排気ガスやタバコの煙は周りの環境を選べば簡単に対策することができます。患者への配慮が大切になります。

気管支喘息の治療ではステロイド薬を用いる

喘息は気道の慢性的な炎症が原因なので、この炎症を治療しない限り、発作を繰り返すことになります。だから、喘息を悪化させたり、喘息によって命を落とさないためには、発作を予防することが何よりも肝心です。

以前は、気管支喘息の発作が起きたときにどう対処するかというところに重点が置いていたので、気管支拡張薬を用いて呼吸を楽にする対症療法がメインでした。

ところが、最近では「吸入ステロイド薬」を使って、発作が起きる前に気道の炎症を抑える治療を行い、炎症の慢性化を予防する方法がメインとなっています。

ステロイド薬という言葉を聞くと、すぐに副作用の問題が頭に浮かびますが、吸入ステロイド薬は、内服や注射で用いるステロイド薬とは違います。気道への局所的な吸入治療薬として作られているので、肝臓で速やかに分解され、深刻な副作用を引き起こすことはないです。

終わりに

私は、小児気管支喘息を患っていたので、喘息の発作の苦しみがよくわかります。夜中に咳が止まらなくなって吐いたりと本当に苦しんだ記憶があります。幸いにも成長の過程で自然に治ったので、問題なく生活できています。

筋萎縮性側索硬化症のような難病の存在を知ることも大切ですが、気管支喘息のような身近でよく聞く病気の理解を深めることも同じくらい大切だと感じたのでまとめてみました。



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